Dusk

宿泊環境

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ネパールでのトレッキングでは通常ルート上に点々とある山小屋・ロッジに泊まることになります。私は当初、夏の富士山の山小屋のようなものを想像していました。しかし実際に行ってみると山小屋と言うよりは、ゲストハウスがたまたま山の中にあると言った方が良いような宿泊環境でした。

部屋
大部屋ではなく、個室に分かれておりプライバシーが保たれます。簡素なベッドが2つの個室が一般的です。1人であっても2人個室に泊まることはできますが、混雑状況によっては断られることもあります(個人トレッカーはこういう時に敬遠されます)。ガイドたちは別に設けられた専用の部屋で寝起きします。

掛け布団が用意されていることもありますが、薄い布団1枚では寒くて眠れないことが多いので寝袋を持参したほうが良いです。ちなみにネパール人ガイドは薄い布団だけでも平気で、感心してしまいます。

満員で全く部屋がない場合は頼み込んで食堂などで寝かせてもらうことになります(ハイシーズンにはよくあります)。食堂で雑魚寝の場合、全員の食事が終わり各自部屋に引き上げないと消灯できないので、十分な睡眠が取れない可能性もあります。ガイド付きであれば同じネパール人同士、何か他の手段がないか交渉してもらいましょう。

入浴
大抵のロッジには共同利用のシャワーが備え付けられています。ほとんどが有料です。太陽光で温水を提供しているので、晴れた日中ぐらいしか利用できません。4000m以上の標高でシャワーを浴びると高山病になりやすい(風邪をひくから、ということかと思います)と言われたため、その忠告を生真面目に守っていましたが、多くの欧米トレッカー(とくに女性)は5000m前後でもほぼ毎日シャワーを浴びていたようです。彼らは体質的に高山病になりにくいのか、また高山病になってもその体力で無理やり登ってしまうので、日本人はあまり真似しないほうが良さそうです。シャワー用のサンダルを持参したほうが良いです。

洗濯
ロッジについてシャワーを浴びるときについでに服を洗濯して干している人が多いです。乾燥しているので翌朝までにはかなり乾いています。

食事
食堂で好きなものを注文します。ネパールの国民食ダルバートなど現地の料理や、西洋料理がメインです。専門の料理人が作っているわけではないので、味はそれほど期待しないほうが良いです。トレッキング終了後、カトマンズでダルバートを食べた時にあまりの美味さに言葉を失いました。ダルバートは基本的にお代わり自由です。通常、夜のうちに翌朝食べたいメニューを宿のスタッフ(もしくはガイド)に伝えておきます。

ヒンズー教では牛が聖なる生き物なのでメニューにビーフはほとんど入っていません。代わりにヒマラヤに生息するヤク(ウシ科で全身を黒く長い毛で覆われている)が食卓にのぼることがあります。味は良いのですが、強烈に硬い肉で噛み切れませんでした。チーズを使った料理もおそらくヤクのチーズを使っていると思われますが、これは味と匂いが合わず食べられませんでした。

アンナプルナ内院のチョムロンより先(正確にはシヌワより先)のエリアは聖域(サンクチュアリー)のため肉の持ち込みが一切できません。このエリアでは全員菜食となります。またシヌワより先ではペットボトルでの飲み物の販売が一切行われないので、それまでに使っていたペットボトルを取っておくか、水筒を用意しておく必要があります。

宿泊料
大半の宿が1泊100〜300ルピーの範囲に収まっています。これは物価の安いネパールであっても破格の価格です。その理由は「3食を宿の食堂でとってもらうから」です。食事を他の所でとるような場合、宿泊料3000ルピー程度を提示されるか、宿泊自体を断られることになります。

トイレ
水洗トイレであったり、トイレットペーパーが備え付けてあったりということはまずありません。使用済みトイレットペーパーはトイレ内のくずかごに入れます。平野部ではホテルなどを中心に水洗トイレのところもありますが、その場合もトイレットペーパーを流してはいけません。簡単に下水道がつまります。

真っ暗な戸外にトイレがあることも多いのでヘッドランプは必携です。

トイレはぼっとん式もしくは大きな容器に溜めてある水を汲んで流すタイプです。後者の場合、標高が高い所では夜半から朝にかけてあらゆる水が凍るので要注意です。目の前に大量の枯れ葉が積んであって終わった後この枯葉を下に落とすようなトイレもありました。

電気
ほとんどのロッジが太陽光発電装置を備え付けていますので、日が暮れてもすべて真っ暗になるわけではありません。デジカメや携帯電話の充電も可能(ほとんどが有料です)で、ロッジによってはWiFi利用可能(これもほぼ有料)です。

売店
すべてのロッジでミネラルウォーター、駄菓子、トイレットペーパーなどを購入することができます。標高が上がるごとにどんどん値段も上がります。スニッカーズとプリングルスはどの山小屋にも置いてありました。

精算
出発の朝、食事・宿泊・充電などすべての費用をまとめて支払います。大半のロッジがUSドルでも受け取ってくれます。ナムチェバザールにはATMがありますが、他に現金を下ろせる場所は無いので、事前に必要な金額を用意しておく必要があります。




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