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トレッキングエリア

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ネパールでトレッキングを行う場合を例に、私が実際に歩いたコースを紹介します。

ネパールはインドと中国に挟まれた東西に細長い小さな国です。国の北側はすべてチベット自治区と接しており、そのすべてがヒマラヤ山脈に含まれます。横長の国土の真ん中辺りに首都カトマンズ、第2の都市ポカラがあります。

アンナプルナ山群

ネパールにはトレッキングコースが数多くありますが、その中でも非常に人気のあるトレッキングエリアが大きく分けて2つあります。そのひとつがアンナプルナ山群です。

アンナプルナ峰(8091m)、信仰の対象となる聖山マチャプチャレ(6993m)を始めとする山々が連なる地域で、アンナプルナ内院(サンクチュアリー)へ向かうプランと、アンナプルナサーキットという山域の外周をぐるっと回る大規模なものがあります。もっと短期間で手軽に歩けるコースも数多くあります。この中で私が歩いたのはアンナプルナ内院へ向かうコースです。上記に上げた2つの山が目の前に見えるところまで歩いて行きます。

1日目
ポカラから車で1時間程度でトレッキングのスタート地点:ナヤプル(Nayapul:1070m)からティケドゥンガ(Tikhedhunga:1480m)へ。

2日目
非常に長い石段を登ってBanthati(2210m)を経てゴレパニ(Ghorepani:2853m)へ。

3日目
夜明け前に起きてプーンヒル(Poon Hill:3198m)へ登りダウラギリやアンナプルナ、マチャプチャレを見る。その後、タダパニ(Tadapani:2721m)へ。

4日目
長いアップダウンの後、チョムロン(Chhomurong:1951m)へ。

5日目
デウラリ(Derali:3200m)まで。本来はその手前のドヴァン(Dovan:2600m)で宿泊予定だったが、予約したはずの部屋がないと言われやむなく先へ進む。

6日目
マチャプチャレベースキャンプ(MachapuchareBC:3700m)を経てアンナプルナベースキャンプ(AnnapurnaBC:4130m)に到達。

7日目
一気にチョムロンまで下山(所要約9時間)。途中の集落全てで宿がないと断られ続けた結果そうなったもの。

8日目
天然の温泉があるジヌーダンダ(Jinudanda:1780m)まで下る。

9日目
トルカ(Tolka)を経てポタナ(Pothana:1700m)へ。

10日目
ダンプス(Dhamps)を経てフェディ(Phedi:1220m)でトレッキング終了。車で1時間かけてポカラへ戻る。

8日目以降は旅行会社のプラン上で極端にペースがゆっくりの日程になっているので、もう1日は短縮できると思います。マチャプチャレ、アンナプルナのベースキャンプで過ごした1日は生涯忘れられないものになりました。

クーンブ地方(エベレスト街道)

カトマンズから小型飛行機で1時間のルクラ(Lukla:2840m)がトレッキングの出発点になります。もっと手前のジリあるいはバンダルという村までカトマンズからバスで向かって、その後ルクラ方面まで1週間かけて歩いていくことも可能です。

このエリアには大きく分けて2つのコースがあります。ひとつがカラパタールやエベレストベースキャンプを目的地とするもの、もうひとつがゴーキョピークを目指すものです。ゴーキョピーク、カラパタールはいずれも5500m前後の丘(6000m以下のピークはここではすべて「丘」です)で、ここからの眺望が素晴らしいので多くのトレッカーが訪れます。

私は両方のルートを一度に歩きましたが、実際にはどちらか片方を歩くことが多いと思われますので、便宜上1つの行程を2つに分けて記します。

ゴーキョピーク方面

1日目
飛行機でルクラ(Lukla:2840m)へ到着後、パクディン(Phakding:2610m)へ。余裕があればもう少し先へ進んでおいたほうが良いと思います。パクディンからだと翌日の行程はかなり長丁場になります。

2日目
クーンブ地方最大の集落ナムチェバザール(Namche Bazar:3440m)へ。

3日目
高所順応日として終日ナムチェ滞在。シャンボチェの丘(3800m)に登って身体を高所に慣らす。

4日目
クムジュン(Khumjung:3790m)まで。本来はこの先まで行く予定でしたが良い村でしたので急遽予定変更しました。体調次第では3日目の高所順応をこの村での滞在に変更してもいいかもしれません。この先がゴーキョ方面とエベレスト方面の分岐道となります。

5日目
モンラ(Mong La:3973m)まで。本来は、峠に立つこの集落ではなくその先のポルツェタンガ(Phortse Tanga:3680m)まで行くはずでしたが、あまりにも景色が素晴らしいので急遽ここに滞在することにしました。

6日目
ドーレ(Dhole:4090m)へ。このあたりから朝晩の寒さが強烈になります。

7日目
マッチェルモ(Machhermo:4410m)へ。ここも素晴らしい眺めです。

8日目
湖と山と氷河に囲まれたゴーキョ(Gokyo:4750m)へ到着。元気がある人はこの日のうちにゴーキョピークに登ってしまうでしょう。

9日目
ゴーキョピーク(Gokyo Peak:5360m)へ登る。エベレストを始めとする高峰群を一望できます。

10日目
ゴーキョの先の第4、第5の湖(約5000m)へ日帰りトレッキング(往復6時間)。ここまで足を延ばす人は非常に少数です。

11日目
下山開始。マッチェルモを経てドーレまで下りる。体力があればまだ先へ下りることも可能でしょう。

これ以降、ルクラまで下山するのであれば
12日目:ナムチェバザールまで
13日目:ルクラまで(2日に分けても良い)
という日程になるかと思います。

私の行程が寄り道をしながらのものなので、実際には1〜2日(健脚であればそれ以上に)短縮可能かと思います。

エベレスト方面

1日目
飛行機でルクラ(Lukla:2840m)へ到着後、パクディン(Phakding:2610m)へ。余裕があればもう少し先へ進んでおいたほうが良いと思います。パクディンからだと翌日の行程はかなり長丁場になります。

2日目
クーンブ地方最大の集落ナムチェバザール(Namche Bazar:3440m)へ。

3日目
高所順応日として終日ナムチェ滞在。シャンボチェの丘(3800m)に登って身体を高所に慣らす。

4日目
プンキテンガ(Phunki Tenga:3250m)を経てタンボチェ(Tenboche:3867m)へ向かうことになるかと思います。私自身はゴーキョ方面からこのコースへ移ってきたため、この日は深い谷を挟んで向かいにあるポルツェ(Phortse:3840m)に滞在しています。

5日目
パンボチェ(Panboche:3985m)へ。この先のペリチェまで行くこともできますが少々長い道のりになるため、私は2日に分けて歩いています。

6日目
ペリチェ(Periche:4252m)へ。ここは救護所があるためいざという時には助けになります。ここは朝晩の冷え込みが強烈です。

7日目
トゥクラ(Tukla)を経てロブチェ(Lobuche:4930m)へ。

8日目
宿泊地としては最高地点のゴラクシェプ(Gorakshep:5160m)へ。この日のうちにカラパタール(Kala Patar:5545m)に登り夕陽に染まるエベレストを見ましたが、体力的には少々厳しかったです。

9日目
エベレストベースキャンプ(Everest Base Camp:5350m)へ日帰りトレッキング。トレッカーが行くことを許される最も遠い場所です。

10日目
下山開始。ロブチェ、トゥクラを経てからペリチェへ向かわず分岐道を歩いてディンボチェ(Dingboche:4350m)へ。

11日目
私は体調不良でディンボチェで1日静養しましたが、そうでなければこの日のうちにチュクン(Chhukung:4743m)へ向かいます。ローツェ(Lhotse:8516m)に近く、加えてカンレヤムウ(6246m)というヒマラヤ襞が非常に美しい屏風のような山を目にすることができます。チュクン・リ(ChhukungLi:5550m)という第3のピークに登ることもできます(事前申請が必要だそうです)。

12日目
アイランドピークベースキャンプ(Island Peak BC:5070m)への日帰りトレッキング(4〜5時間)

13日目
下山開始。タンボチェ(Tenboche:3867m)まで谷沿いに激しくアップダウンを繰り返します。

14日目
通常はナムチェバザールまで、あるいは翌日のことを考えてもう少し先の集落まで進むことになるかと思います。私の場合はこの日再度クムジュン村へ滞在し、翌日からターメ(Thami:3750m)へと足を延ばしています。

15日目
ナムチェからルクラへ戻りトレッキング終了。翌日早朝の飛行機でカトマンズに戻ります。

私の行程では1日の歩行時間を短めにしているので、そこをフルに歩きチュクン方面への寄り道もなくせば3日程度は短縮できます。ただ、チュクンは省くにはあまりにも惜しい場所でしたので、時間が許せばぜひ日程に組み入れてみていただきたいところです。

コースを考えるにあたってネパール・ヒマラヤ・トレッキング案内という本が非常に詳しく、大いに助けになりました。この本の必要部分をコピーしてトレッキング中ずっと持ち歩いていました。外国人トレッカーにはロンリープラネットのTrekking in the Nepal Himalayaを持っている人が多くいました。また、カトマンズやポカラで安く山岳地図が買えるので、これもぜひとも入手しておいたほうが良いです。

実際のトレッキングの行程についてはこちらに詳しいのでご参照ください。




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